数学、時々レフェリー

私立高校で働く数学教員です。数学のこと、日頃話すこと、時々サッカー審判員としてのこと。少しずつ発信していきます。

数学

なぜ数学は嫌われるのか(第5回)

「数学=自然科学の言語」という認識 使うことで勝手に身につく言語 日本語や英語というと「言語」と認識されている。 おはよう! = Good morning! といったように音声化できるものは言語とされるだろう。 私は自然と日本語を話している。英語はどうしても…

なぜ数学は嫌われるのか(第4回)

証明とは 「AならばB」という条件文は数学でよく使われる。 様々な言い換えはあるものの、数学は公理や定義から始めて、この条件を繋げていき様々な性質・定理を獲得していく。 ほぼ自明に出てくる事実だけであれば問題もないのだが、自明でない事実が登場す…

なぜ数学は嫌われるのか(第3回)

物理学と数学の協調 数学の発展とともに大きな発展を遂げてきたのは物理学である。 Newtonは「りんごは落ちる」のを見て万有引力の存在を発見したと言われているが、「りんごが落ちる」ということをどのように「力(Force)」と関連させて説明したのかは私に…

なぜ数学は嫌われるのか(第2回)

具体例からの抽象化 数学というのは、その名の通り「数を扱う学問」である。 だから人はこう思うであろう。 「数字が計算できれば大丈夫でしょ!」 と。ところがこれが大きな勘違いである。 数学で扱うものはまぁ文字ばかり…。 くらいならまだしも、 という…

なぜ数学は嫌われるのか(第1回)

義務教育と中等教育のギャップ 数学を志した者として非常に残念なわけだが、社会人や生徒に「数学」というワードを口にすると あー…難しいですよね。 苦しめられた記憶しかありません。 と言われるのがいつもの流れである。 もちろん自分自身も難しさを感じ…